おたくはどちら

つれづれ

2.聖書はインクとナツメグのかおり

よお、元気?
私はインスタントコーヒーを淹れたと思ったら出汁を取っていました(コーヒーの空き瓶に味の素のほんだし顆粒タイプを詰め替えた記憶を喪失していた)
飲んだ瞬間苦味のかわりに旨み成分が口に広がって舌がバグったかと思った
今日は読みたいけれど読めていない本の話をします。
こうでもしないと読まない気がするので自分への宣言も含めている


そんな読めていない本のタイトルですが、
マルセーヌ・プルースト失われた時を求めて』。
ドラクエ11ではない(元ネタのひとつではあるだろうけど)
超長編小説にして彼の代表作…というか、20世紀文学史においてその名を残す化け物タイトルです
日本語訳だと400字詰め原稿用紙10000枚にも及ぶらしいですよ、どういうことだ?


そもそもなんでこの作品を知ったかというと、「プルースト効果」という言葉からでした。
何かの香りを嗅ぐことがきっかけで、過去の記憶や感情が呼び起こされることがあると思います、
私で言うならほんだしの匂い嗅いだらコーヒーと間違えたことを思い出した、みたいな


そういった心理現象を、前述の小説のセンテンス、
無意識に、紅茶に浸して柔らかくなった一切れのマドレーヌごと、ひと匙のお茶をすくって口に持っていった
ところ、幼少期の記憶を鮮明に思い出した主人公になぞらえてそう呼ぶと。


いや、もう「マドレーヌのバターと紅茶の香りから、ノスタルジックな記憶が呼び覚まされる」情景が美しすぎるんだよな…
フランス感すごい(意味不明)
私は光文社の高遠弘美訳を1巻だけ持ってるんですが、文章全体で美しさのバランスを保つような独特の雰囲気を纏っているのが素人目にもわかるので
心理現象にひとつの作品、および作者の名前を戴くだけはあるなぁと


まあそんなんで元ネタを読んでみたいんですよね
オマージュやパロディ先が気になる人間なので、そうやって読む本を選ぶことも多いです
ただ文体が結構人を選ぶ上に前述の通りクソ長い(岩波文庫版で14巻分)ので、未だ勇気が出せずにいる


最近はTRPG関連のシナリオフックに使えそうだなぁとか、純粋な読書の愉しみとはまた別の視点を持てるようになってきたので、世界観だとか人間模様だとかも上手く吸収していきたいですね
そんなことを思いながらコーヒーを啜る平日でした(カツオだしの味はしなかった)