おたくはどちら

つれづれ

"Siren call" of Cthulhu

元ネタいろいろ。

参考文献もといパクリ元。

TRPG
・永い後日談のネクロニカ(つぎはぎ本舗)
・ネクロニカESPサプリメント 歪曲の舞踏
今回のメイン。ネクロニカのシステムはオンセじゃ面倒だけど世界観を伝えたかった。
自我次元論やアンデッドの設定はほぼ全てこれに倣っている。


・闇をゆく者達の宴
・人間を吊るせ(スワンプマンは誰だ?)
私のTRPG価値観の礎になってる。色んな意味で。
じゃあ俺ソニアちゃんラスボスにすっから!(ルート次第でなってないかもしれない)


・コンビニの店員がビヤーキーだったクソシナリオ
Presented by 12。


・毒入りスープ
もはや有名すぎてやる機会がない。


小説
・ヒト夜の永い夢(柴田勝家)
SF的粘菌システム。


屍者の帝国(伊藤計劃円城塔)
アフガン奥地で霊素を打ち込むシーンが大好き。


・幽世知能(草野原々)
スピリチュアルなものを科学技術としてまとめる手腕。


・虚構推理(城平京)
人魚とくだんの血を引いたキャラが出てくる。


不思議の国のアリス(ルイス・キャロル)
メインテーマ。


・マッチ売りの少女(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)
読み聞かせで出演。


・人魚姫(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)
コペンハーゲンの出身地。


涼宮ハルヒシリーズ(谷川流)
屋敷をよく登場させるの、10うん年前に見た「孤島症候群」の回がかなり印象に残ってるからだと思う。


ゲーム
素晴らしき日々(ケロQ)
間違いなく今年一年で私に最大の爪痕を残したゲーム。
曲にピアノを多く絡めたのはだいたいこれの影響。


・TRUE REMEMBRANCE(里見しば)
サウンドノベル。ココフォリアで使用したBGMはすばひびとこれがほとんど。


その他
・夢の恋人(NONA REEVES)
人魚siren警笛sirenの言葉遊びはここから。


20世紀少年(浦沢直樹)
タイムスリップ時のイメージとか刑務所のイメージとか。


それから多くの背景や音声や素材の皆様方、思考の血肉となってくれたたくさんのコンテンツ、あと図書館で借りた量子力学の本やら哲学の本やら真菌学の本やらWikipediaやら。





キャラ毎。

・富良谷テイジ
フラタニティ(fraternity:ラテン語で兄弟、転じて社会団体や慈善団体を示す)から。弟次(ていじ)。アリスとジャンクが姉妹なので、それと対比させる格好になっている。


・富良谷ケイイチ
同上。兄一(けいいち)。
立ち絵は弟と共にニコニ・コモンズからお借りした。
http://commons.nicovideo.jp/material/nc113871
http://commons.nicovideo.jp/material/nc173872


コペンハーゲン
別世界の『人魚姫』。
『マッチ売りの少女』『人魚姫』などを遺したアンデルセンの出身地であるデンマークの首都。コペンハーゲンには人魚姫の像がある(三大ガッカリとして数えられることもあるけれど)。
立ち絵は『デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End』から。車椅子に乗っていて脚が見えなくてミステリアスな美人、という立ち絵を我ながらよく見つけてきたと思う。追記:ココフォリアのアイコンサイズの関係でほぼ見えなくなって泣いてる


・くだん
実在(?)する日本の怪物・妖怪。天災の前触れとも。
立ち絵は『Fate/Grand Order』のアステリオス(ミノタウロス)。



・アリス
不思議の国のアリス』、そして『ネクロニカ』におけるポジション(性格)のひとつが由来。
『ネクロニカ』では狂気点と呼ばれる数値が存在し、一定以上になると姉妹に対する狂気に苛まれることになる(『警笛』における「ポイント」)。アリスはそれを会話によって癒すスキルを獲得できる。
不思議の国で、なお普通の少女でい続けられるその立ち位置が『ネクロニカ』のポジション名の由来なんだろう。狂気(クトゥルフ)の世界観に迷い込んだ少女、とも読み解ける。

アリスがアンデッドっぽくないのはネクロニカ的に言えば強化パーツとして「しんぞう」と「エンバーミング」を取得しているからです。
立ち絵は『東方怪綺談』よりアリス・マーガトロイド(旧作)。
https://sp.seiga.nicovideo.jp/seiga/#!/im3189645


・ジャンク
こちらも『ネクロニカ』のポジションのひとつ。
世界に絶望し諦めてしまったが、最後の姉妹との絆は譲らない、そんな性格のポジション。
名前はJunk(がらくた、廃棄物)から来ているのだと思うが、ジャンク船(木造帆船)とも取れるので船が一要素を占めるシナリオに結構綺麗に嵌ってる感じはする。
立ち絵は『艦これ』より駆逐棲姫。


・楠クマヤ
南方 熊楠(みなかた くまぐす、1867年5月18日(慶応3年4月15日) - 1941年(昭和16年)12月29日)は、日本の博物学者、生物学者民俗学者。(Wikipediaより)
……が元ネタの人。この時代において6つの外国語を修め、菌類の新種70種を発見、ネイチャー誌に論文51本を寄稿、昭和天皇にも進講、多くの笑い話を残す正真正銘の破天荒。
『ヒト夜の永い夢』の主人公でもある。
立ち絵は『銀の匙』より別府太郎


・楠ヒグマ
同上。懸賞金800万ベリーかけられてそう。


・空間ミツル
姓はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』から。
屍者の帝国(作品名)』の「死者の王国(地名)」に出てきたのもカラマーゾフ
兄弟がテーマなこともあり言葉の響きが気に入っているので、ふすき町(ドストエフスキー)、途罰島(『罪と罰』)も名前をもらった。
立ち絵は『東方夢時空』より朝倉理香子。
彼女の戦闘テーマはショパンの『木枯らしのエチュード Op.25 第11番』。


・マジックおじさんのカラマ
同上。特に悪いことはしていないおっちゃん。


チェイス
過去シナリオ『鳳(ootori)』のNPC。今回は味方。言うほど味方か?
過去シナリオのNPC、どのくらい記憶に残るのかがよくわからん。こいつは印象深い方だと思うのでGOサインを出した。
立ち絵は『東京喰種』より金木研。


・九條アゲハ
同上、前作ヒロイン的ポジ。今回のシナリオで一貫しているコンセプトが「NPCとの会話」なので、そういう意味でも大事な役どころを担ってもらった。
立ち絵は『艦これ』よりウォースパイト晴れ着バージョン。


赤ずきん
過去シナリオ『銀弾、そして』『裸足、それでも』『桃源、きっと』のNPC。声だけ。
銀弾と言うわりにシルバーバレットを使った記憶がないので活用。1名だけ過去シナリオに参加していないのでその人だけの伏線にもなっている。





シナリオの告知画像、チャプター終了時の副題について。

告知画像の文章がこれ。

Call of Cthulhu.
Conceivably, down the Sequel-hole.

クトゥルフの呼び声。あるいは、続編の穴を下る。
『ネクロニカ』の公式の副題が「The Long Long Sequel(長い長い後日談)」なので、
クトゥルフ、あるいはネクロニカ」
みたいな意味にとらえてもらえるとうれしい。他シナリオの続編というそのままの意味もある。
"down the Sequel-hole"は『不思議の国のアリス』の第1章副題(及びそれを元ネタとしている『素晴らしき日々』の第1章)、"down the rabbit hole"をもじっている。


Chapter1:「警笛、あるいは」
私が過去に回した童話CoCキャンペーン(『寒空』『銀弾、そして』『裸足、それでも』『桃源、きっと』)のシナリオタイトルの文脈に沿っている。
1名参加していない(かつケアをPLに任せる予定)なので、それはすまん。


Chapter2:「Nechronica」
そのものずばり。


Chapter3
ネクロニカルート(撃たない):「毒なしスープ」
クローズド界の大御所である『毒入りスープ』から。
世界から毒は消えた。

クトゥルフルート(撃つ):「終い無き舞台」
探索者の物語にしまいはなく、この舞台に姉妹しまいはなく。
不思議の国のアリス』を扱う以上は言葉遊びを組み込みたいと思っていた。





シナリオの狙い。哲学の話をする気はないので構成やシステム的な側面。
まずこのシナリオを作るきっかけがいくつか。


1.今年の総決算シナリオ。
 TRPGのシナリオを作るとき毎回欲望と戦っているが、その欲とは「過去シナリオと絡めたくなる」こと。世界観に(悪く言えば簡単に)深みが生まれるが、世界観の新しい広がりもそれに応じたものになってしまうので毎回死にそうになりながら新しいNPCや新しい固有名詞を出している。
 ただ、そうやって作り出してきた資産を解放する機会は絶対に欲しいしやりたかった。今回がそのドリームマッチ。だいたい年末でキリいいしね。前提として全員が同じシナリオに参加している必要があるので盛り込むボリューム的にはこのあたりが限界な気もする。


2.『ネクロニカ』のルルブが腐ってる。
 やる機会がゼロだし私がKPをする気もないので別にいいっちゃいいんだが、せっかく面白いシナリオフックがあるので活用しようという魂胆。


3.触れた作品のアウトプット。
 このシナリオは『屍者の帝国』の著者2人の影響を受けている。ストーリー面よりもギミック面に顕著で、『ハーモニー』のETMLタグや『Self-Reference ENGINE』の俯瞰性にかなり引っ張られた節がある。好きな作家なのでやむなし。
 「意味のわかる程度に、筋道立てて、システムや媒体そのものを弄るネタ」を扱える機会は一回あるかどうか(スタンダードあっての飛び道具)なので、ならばこのタイミングでぶつけてやろうと。アイデア自体は1年ほど前から既に固まっていたので、色んな場所から要素を拝借してきて肉付けした格好になる。


4.普段より一歩引いた位置からの面白さ。
 真の意味で「別システムからの来訪者」である『ネクロニカ』を扱ってみたり、有名なシナリオである毒入りスープを盛り込んでみたり、急にビヤーキーがコンビニ店員していたりとPLから見て楽しめるネタ、みたいなものを意識した。



 シナリオ制作へ入るにあたり、せっかくなので『ネクロニカ』の設定だけでなくシステムも流用することにした。その結果できたのが「ポイント」と「対話判定」。
 まず「ポイント」。『ネクロニカ』における狂気点であり、原典では4点以上になると姉妹への狂気が発生してしまう(信頼→疑心暗鬼、憧憬→贋作妄想など姉妹への感情がエスカレートしてしまう)。
 クトゥルフにおける一時的狂気や不定の狂気のようなものだが、『警笛』コンバート後は4点で永久発狂とかなり凶悪。SAN値の余力がある人ほど大きく数値が減り、余力がない人も数回は耐えれる、SAN値が80とか90とかの人でも緊張感を持てるゲームデザインになっている(はず)。SAN値が高いと発狂ロストが起こらなくて全然死なないよね〜という話を前にしたので、それを下敷きにしている。

 SAN値チェックによる狂気の発生、単なるギャグ要素になってしまっている上に精神分析で一瞬で解決してしまうケースがそこそこにある。それがいいとか悪いとかの話ではなく、恐怖をきっちり演出する人とギャグでさくっと終わらせる人の間には溝ができてしまい、シナリオに全員が同一レベルの深度で入り込んでいないと浮いてしまう。それなら最初から一時的狂気や不定の狂気を弾いてしまうのも一つの案じゃないかと。このあたりは『傀逅』が参考になった。今回に関してはSAN値を単純な第二のHPのパラメータとして利用し、その減少の精算はシナリオ終了後に恐怖症の発症とクトゥルフ神話技能の上昇で行っている。

 ちなみに曖昧ではあるが、ネクロニカ由来の恐怖イベントの場合は「ポイント」増加、クトゥルフ由来の恐怖イベントの場合はSAN値チェックが発生している。

 「対話判定」について。前述の通り『ネクロニカ』は会話をすることで狂気点を減らすことができ、『警笛』内でも同様の役割をアリスが果たしている。『セカンダリ・カラー』でのキーパリングで、NPCとの交流をPLに丸投げするとムラが出てしまうという知見を得ていた。なので、NPCとの交流にシステム面からトピックとメリットを付けてやるとうまく解消されるんじゃないか、というテストも兼ねている。
総じて、トップダウン式のギミックではあるがボトムアップ的需要にも応えてくれたので結構満足。



 次に、TRPGという数時間でシナリオを決着させなければならないゲーム構造が抱える問題点への回答。どれだけバックストーリーを用意しても、PCが冒険するのは長くても数日という超短いスパンであり、その中でストーリーを完結させねばならないということ。
 要するにNPCがこれこれこういう事件に巻き込まれたんです〜〜という、普通の漫画やゲームなら回想を挟むことで物語に深みを齎せるポイントがゼロに近い。
 過去の時間軸を使えない、これが致命的。黒幕が数日のうちに動機を生み壮大な儀式や召喚を考え準備し実行することはどんなに有能な人材でも不可能なので、そういう部分をリアルタイムに追えない。ハンドアウトという追加要素、日付で追える日記やメモといったクトゥルフあるあるはこの問題点を少しでも解消するための苦肉の策ともとれる。

 なので、今回はこれの解消を図るために3つの策を用意した。


1.タイムスリップ。
 暴挙。うるせえ理屈は後からつければいいんだよ!
コペンハーゲンさんの謎アーティファクトによって、今回の黒幕である富良谷テイジの動機の部分を覗かせる。準備を既に全て終えた状態の黒幕と会話させたり、日記で辿らせるよりも没入感が違ってくると思う。これだけでも1シナリオ作れるし。
 さいわい今回は『不思議の国のアリス』をテーマにしていることもあって、時計で逸脱した世界に移動する「それっぽさ」がくっ付けられたのは良かったかもしれない。


2.チャプター制度。
ぶっちゃけキャンペーンにするくらいなら1シナリオ中にまとめた方が「やりたいシーン」の密度も高いし間延びしないし連続でセッションできるから完成度高い。あとED名ネタが何度も使えて楽しい。PCの行動に応じた伏線を貼れないところだけがネック。


3.過去シナリオの活用。
 PLの体験の時間軸を無理やり引き伸ばしてやる。他のシナリオで得た「神話的事象に遭遇し何を経験したか?」という部分をこのシナリオに持って来させることで、クトゥルフ神話に対しての判断材料を増やしてやりたかった、というのが「新規探索者非推奨」の真意。
 これは『桃源、きっと』や『鳳(ootori)』の後日談的立ち位置にした理由でもあって、仮に今回のチェイストや九條アゲハ、赤ずきんの立ち位置がポッと出のNPCならまた違った感触じゃないだろうか。





 その他。
これ書いてるの6時間くらいココフォリアと格闘した後なので頭がオーバーヒートしている。手短に。

 ココフォリア、無限に凝れてしまうので考えもの。某ドラえもんをPLとしてプレイした感触的にも、提示資料を出しやすくなった程度に考えた方が良いかもしれない。そうじゃないと仕事量が指数関数的に跳ね上がる。

 最近「選択」を意識的に排除してたけど、やっぱシナリオのクライマックスに必要な要素なので入れちゃったぜ。解説してるか知らんけどエンディングはどっち行ってもそこそこに地獄です。個人的な話で言うなら、ラストバトルしたいので銀弾撃ってクトゥルフルート行ってくれると嬉しい。

 神話的な言い回しをするNPC、基本的に話が通じない上、(PCではなく)PLに意図が伝わりにくくて仕方ないので今回は会話できるキャラを沢山入れた。

 シナリオ作ると毎回世界線とか地球とか物理法則とかを破壊したくなっちゃうのでもうちょいコンパクトにまとめたいですね。毎回言ってますね。

お疲れ様でしたと言った予定だ。