おたくはどちら

つれづれ

SSR:駄弁り

セッションお疲れ様でした。設定とかそのへんの記事になります。

下の目次から飛んで藤憑フキノのとこだけ読んでもらえればいいです。

*不思議の国の人魚姫

『警笛』段階だと『校正者』〜『潜水者』までの展開はうっすらとしか決まっていなかった。そもそも『警笛』が上手くいかなければお蔵入りさせるつもりでいたし、のちのち詰めていった部分も多い。前に言ったかもしれないが『警笛』は別々だったシナリオを魔融合させたシロモノで、そのためにタイトルが「○○者たち」で統一されていない。


『警笛』時点で決まっていた設定について。
ネクロニカからゲスト出演したアリスが『不思議の国のアリス』のメタファーであるように、ジャンクも『人魚姫』のメタファーとして起用している。これは『警笛』が『SSR』のキャンペーン第一話である以上に、『寒空』『銀弾』『裸足』『桃源』に連なる童話キャンペーンのスピンオフであるため。
人魚姫は王子様のためにヒレを失って脚を得た。ジャンクはアリスのために脚を失って履帯を得た。そういう意味では2人目の人魚姫であり、『警笛siren』も『潜水者』も彼女が持つ海のモチーフのために存在するタイトル。


不思議の国のアリス』の続編である『鏡の国のアリス』をシナリオにも取り入れようとするとき、必ず「鏡」について触れなければならないなと考えていた。
「鏡 = 水面」となぞらえるとアリスにもジャンクにもゆかりがあるのでモチーフを加工しやすい。ゆえに「鏡の中へ潜る探索者たち」は『潜水者』となっている。


「鏡」をシナリオの中心部に据えると、当然ラストは鏡にまつわる敵と戦闘させたい。少年マンガによくある自分自身と戦わせる展開がわりとそれっぽい。つまり探索者自身が探索者と敵対する必要が生まれたため、その中継点として『警笛』でアリスとの戦闘を設定した。


伊賀すみれ。後書きで「探索者には前に進み続けて欲しいと思うのだ」とか抜かしてたけど建前で、本音はこのシナリオに参加する選択肢を持たせるためにロストさせるわけにはいかなかった。江夏も同様。やっぱりPCを殺せないのでクトゥルフのKP向いてないと思う。
ここら辺までが『警笛』シナリオ時に考えていたこと。次からは追加でシナリオに盛り込みたかった要素。


*タマシイ・コネクタ

ガチャ形式のスキルシステム。みんなガチャ好きだから入れたら楽しくなるんじゃないかと思った。
どこかで運の要素を組み込んだらシナリオのジェットコースター感を緩和できるのでは?→ファンブル枠としてイベントフラグを用意。半年前はいいアイデアだと思ってたけど、今考えたらこれ単にジェットコースターのレールを5本に増やしてるだけ説がある。GOサインを出してしまったものは仕方ないので『捜索者』まで来てしまったけれど。


シナリオサイドからの要請としては

  1. キャンペーンにおける「継続探索者でないと不都合が出るが、安全すぎるとロストへの緊張感が出ない」問題の解決
  2. 三点リダを構成するうえで外せないシナリオである『人間を吊るせ』がクソ触れにくい世界設定なのでそれをゴリ押し解決する必要がある
  3. 最終シナリオで探索者同士を戦わせるので、PC側の勝率を上げるためにステータスや戦闘技能の底上げ


これらを満たし、かつ「鏡」のモチーフを取り込めるモノを考えた結果こういう形になった。

  1. 回答→ロストさせてもシナリオの進行状況を保存できるギミック。よく分からん概念「タマシイ」を持ち込むことである程度誤魔化しが効くし、困ったら別人の記憶をフラッシュバックさせてやればいい。むしろロストを推奨させよう(HP回復不可など)。
  2. 回答→クソでかワード「無限」は全てを解決する。「PLじゅもんのPCがクリティカル枠のコネクタナンバーになっている」というシナリオの伏線としても活用できる。
  3. 回答→せっかくなのでシナリオ構築上の試金石として活用しよう(ファンブル無効、確定クリティカル、特殊ダメージボーナスなど)。


フレーバー的にはどこかに存在する探索者にナンバーひとつひとつが対応する。後述するが「モブのチカラ」がテーマのキャンペーンでもあるので、見知らぬ探索者がスキルとなってプレイヤーを助けている、という設定。


*モブ、あるいは『革命者』

発端は何藻シラヌだった。そもそも奴は「このNPCについて深掘りしなくていいですよ」というサインを出しつつシナリオ上どうしても必要な村人枠を満たす潤滑剤である。創作物として「第四の壁」を意識させるキャラクターは通常いてはならないが、都合によって譲歩しなくてはいけない場合がときどき生まれる。無駄な推理や情報量の削減、プレイ時間の圧縮など。


そういった緩衝材に使われるのがシラヌのようないわゆるモブであり、「彼らにも人生や生活は存在するのでは?」と問われれば、「説明している暇がないので、何も知らないことを名前で表現する役割に徹してもらうしかなかった」と返すほかない。


じゃあモブにスポットを当てたシナリオを作ってみようじゃん、というのが『革命者』のテーマ。「コネクタナンバー 00.糾眼」による断片のギミックはモブの掘り下げのために存在する。『SSR』がアザナエルに選ばれた探索者たちを示すなら、ノーマルレアリティはモブであろう、という比喩が『N:革命者たち』のタイトルに繋がっている。これからのシナリオは数人のキャラクターを中心に世界が回るけどモブを軽んじているわけではないから許してね、という免罪符。


ただ、『革命者』は正直もう少し上手い方法があったと思う。シナリオの練り込みが足りなかった。もっとモブキャラを出すべきだと思ったし、そのたくさんのキャラや署名を活かせるようなシナリオを作るべきだった。探索者の終盤の自由度が少なかったのも反省点。


*6つの勢力とチェスゲーム

モチーフの落とし込み方、難しい。例えば『鏡の国のアリス』のチェスをテーマにするならシナリオ全体をチェス関連に寄せないと探索者が混乱するし、モチーフの影響力が強すぎてその他のものを入れづらい。結局難しくて全部放棄した。
が、いくつか名残というものは存在していて、シナリオが6つから構成されていたり、キーになる勢力が全部で6つだったりという部分はチェスの駒の種類が由来。別にどれがチェスの駒の何に対応しているというわけではないのだけれど(そういうところもモチーフの扱いが難しい)。


アザナエル
古代エジプトの神トトを源流とする、認識を信奉し名を定義する種族。影によって様々な事物の「存在」が脅かされたため、対抗する。痣を探索者たちにつけたのも『革命者』時代の彼ら。

彼らが探索者たちに植え付けたアザ(タマシイ・コネクタ)はSSR配列の4行目を削除し、無限の認識によってありとあらゆる世界の魂を繋げる役割を果たす(ここすっごいふわふわしてる)。コネクタを通じて別の人間の記憶や経験を繋げることで、影に対抗する人間を手助けすることが狙い。

名称は「禍福は糾える縄の如し」より。○○エル、天使っぽい。縄のモチーフがDNAっぽくていいんじゃないかと思った。字得あざなえるでもある。


コンサティーナ
イングランド周辺に根付いていた、「音楽」「数学」「正七角形」を信仰する集団。金物カモメの祖先。「門の創造」の基礎となる「タグ=クラトゥアの逆角度」を音楽に見出しており、彼らの旋律は招来/退散の役割を果たす。一般的な招来と違うのは原始的であるぶん門のサイズが柔軟である点で、扱いづらさと引き換えに召喚規模の制限が存在しない。
『演奏者』では後者を用いた召喚の妨害を行い、『潜水者』では前者(金剛七星)を用いた。

元ネタのコンサティーナは欧米の伝統楽器。正六角形ないし正八角形が特徴的なアコーディオン系の楽器。幾何学と音楽のモチーフを同時に取り入れられて嬉しい。


・ハスター
クトゥルフ神話に登場する神格のひとつ。今回はアンブローズ・ピアスの作品に登場した際の「羊飼いの神」としての側面が強い。『天冥の標』を読め。『捜索者』で登場したAvis Taurusは架空の種。おうし座(Taurus)にはハスターと関連の深いアルデバランが含まれている。牛じゃん。

見知った名前を入れておいた方が説明の手間が省けてよいとの判断で導入。


ストレンヂア
Stranger。人ならざるものたちの総称。くだんやビヤーキーのような怪物たちでもあり、NWIJのような神話的知識を持つものたちでもある。アザナエルクトゥルフ世界のクリーチャーをひとまとめにこう呼んでいる。これもふわふわしている。

元ネタは『METAL GEAR RISING: REVENGEANCE』の「A Stranger I Remain」という楽曲。


・ネクロニカ
『永い後日談のネクロニカ』より。科学によって死者を復活させる技術を人類が身につけ、のち滅んだ未来が舞台のTRPG。『警笛』のテーマであり、私がルールブック+サプリメント3冊を買ったにも関わらず一度も遊んだことがないという曰く付きのシステム。
「オペラハウス」と呼ばれるESP研究施設が存在しており、『潜水者』で訪れることになる。10300円ぶんの投資。


・アントールド
アザナエルがアザを付けた人間たちの総称。「運命の星に選ばれたものたち」。メタ的に言うならプレイヤーキャラクター=探索者であり、あるいはそれを操る魂たるPL。歴史の上では語られざる者UNTOLD。ぶっちゃけシナリオでも全然語る機会がなかった。

「The untold tales」と呼ばれる、シャーロック・ホームズの作品中で触れられながらもコナン・ドイルによっては執筆されなかった事件群が元ネタ。このあたりは前述の「語られないモブの背景」や、リダの持つ「推理小説」のモチーフとも合致している。


シナリオ上で
『校正者』→アザナエル、アントールド
『演奏者』→コンサティーナ、ネクロニカ
『革命者』→ストレンヂア、ハスター
と段階的に出していく予定だった。ネクロニカが何故かフライングしてたけど。

*捜索者たち

前3シナリオで出てきた固有名詞を回収しつつラストバトルへと繋ぐ役目。もうPLに何の情報を知りたいか決めてもらえばいいんじゃないかと半ば投げやりに出来上がった。結局作りたいのが細かい裏設定のたぐいであってシナリオギミックじゃないんだよな……。

箱庭シティ、関係ないイベントの話をするのもアレなので、シナリオ中で触れた箇所のみで最後の種明かしができるような組み方ができないかなーといろいろ模索していた。

シナリオ中の行方不明事件は3種類が混在している。

  1. 「影」によって跡形もなく消え去る(大多数)
  2. アザの不具合で狂気に陥る(尾梨、草倉)
  3. アザの不具合でジャンクが乗り移る(朱夏野)

加えてアリスの「捜索」も含まれる。


・「影」
外宇宙から地球に近づいてきている正体不明の存在。クトゥルフ神話の神格アザトースが元ネタになっている。

全て「存在」というものはアザトースの思考によって創造され、逆にアザトースを見たものは存在の根底を破壊されると語られている、らしい(Wikipedia見た)。
ありとあらゆる人や物にはその「存在」の在り方を規定する「識別子」のようなものがあり、こいつが近づくとそれをぐちゃぐちゃにかき乱す。地球に徐々に接近しており、『警笛』から『捜索者』までの一年の経過で影響力を増している。
「識別子」が乱されると現実から消えてしまったり(4値論理におけるNot Applicable)、化け物になってしまったり(種族ステータスの変化)、文章や文献が意味の通じないものへ書き換えられたり(意図しないメモリを参照)する。NWIPはこの現象を「影」と命名し、対応に当たっている。

クトゥルフで描写される恐怖、得体の知れないものに対する怯えのことだと思うので、それなら黒幕もわざわざ名前出してネタバラシする必要もないのでは?という発想から生まれた。

*潜水者たち

クローズドが何故そういう世界観なのかという理屈、毎回困る。今回はネクロニカの研究者たちが催眠をかける上で舞台装置として『不思議の国のアリス』の世界を再現した、という設定。『SCP-014-JP-EX』や『トゥルーマン・ショー』が近いかもしれない。

終戦闘について。生きて帰す気はないが勝てるように調整したつもり。一応の安全弁として「02.怪爻」や「04.神速」を用意しているのでクリア自体はできると思う。戦闘はどうしてもぶっつけ本番の運に左右されるのでバランス調整が難しい。

小栗ムシコの名前の推理、どう転ぶか今の時点(4/24)でもマジで分からん。いつもと違って情報を受動的に集めるだけでは分からないレベルにまで推理の難易度を上げたのもあるし、探索者がどのルートを選択するのかで出る情報も違ってくる。そもそもこういうのが初めてなので推理ものとして成立してるのかすら怪しい。


NPC

ひとりひとり。


・小栗ムシコ(ジャンク)
『校正者』『演奏者』『捜索者』『潜水者』に登場。朱夏野シユの肉体、ジャンクの自我、三点リダの外見を持つシナリオキーパーソン。名前は小栗虫太郎黒死館殺人事件』より。

中身は基本的にジャンクだが、リダの家に住んでいる期間があったのでいくらか書物の知識もある。基本的に友好NPC

ネクロニカの「肉体に本来とは別の自我を宿らせる技術」とアザナエルの「タマシイを繋げる魔術」が競合した結果バグり、現代の肉体の持ち主である朱夏野シユをジャンクの自我が乗っ取った。「コネクタナンバー 01.沼底」によって三点リダの外見と技能をそのままコピーしている。

その後なんやかんやあってシナリオ本編へ。
『校正者』の時点ですでにNWIPと繋がっており、田舎の家屋で待機している。これは三点リダの顔を知っている人とは会いたくないだろうという九條アゲハの配慮。

『演奏者』ではムシコ本人の強い希望で、NWIPとしてアリス(琴割リリ)保護に動く。同行した琴割ヒクイ(青年)はNWIPの関係者。本来は琴割リリを仮死状態にし、別のものにアリスの魂を降ろす予定だったが、藤憑フキノの凶行によって崩れ去る。魔術には死体の時間制限が存在したため、やむなくその場でアリス復活の儀を行なった。
手を汚し、倫理を無視するのは自分でありたい、という自己犠牲は人魚姫にも通じる。

『捜索者』では参加PCが5人であるため、3人と2人に分かれた時の穴を埋めるKPCの役割も果たしている。


朱夏野シユ

美少女に頼ってるじゃねーか

世界線の話をしよう。多分わけわからなくなるだろうけど、とりあえずこういう話がある、とだけ。

  1. 通常のクトゥルフ→ネクロニカの世界。「影」に汚染されていない。アリスとジャンクはもともとここから飛ばされてきた。
  2. 「影」に汚染された世界。『捜索者』のイベントが起こっているがアザのない探索者たちは「影」の阻止に失敗した。PLがプレイした『警笛』『革命者』が発生。
  3. SSR』の世界。PLがプレイした『校正者』『演奏者』『捜索者』『潜水者』が発生。
  4. 『人間を吊るせ(スワンプマン)』の世界。
  5. 『傀逅』のPCペアごとそれぞれの世界。

ネクロニカのESPによってこれらの間で人物の移動が可能だが、いわゆる親殺しのパラドックスは起こらない。その度に条件分岐し、別の世界線が無数に広がっていくため。
アザナエルのタマシイ・コネクタはこれらの世界線全ての探索者の魂を繋ぐため、『人間を吊るせ』の三点リダ、『傀逅』の春咲ミヅカがコネクタナンバーの能力として継承されている。

朱夏野シユの話に戻る。『捜索者』に名前だけ出演。本来はPLじゅもんの探索者であり、世界線1の架空のシナリオで冷凍保存ロストを迎える。その後ネクロニカの未来でジャンクの自我をインストールされ復活。世界線3の現代(『警笛』)へと飛ばされ、ジャンクとして槇島に撃たれた。

その後世界線3の朱夏野シユはジャンクの自我に乗っ取られ、シナリオ本編に繋がるという形。これ理解できるの私だけなので別にふわふわしてていい。
世界線2の『革命者』ではジャンクの自我は入っておらず、冷凍保存もされていない。ハンバーガーを食べなかった人類として、宇宙船ノアに乗船する。

名前の元ネタは『リリイ・シュシュのすべて』よりリリイ・シュシュ。立ち絵は『艦隊これくしょん』より駆逐艦春雨。 朱は「禾」が「菌」という囲いから解き放たれて変化したものらしいですよ。


・三点リダ
『捜索者』に名前だけ登場。小説家の自PC。
別シナリオで死んだ。『人間を吊るせ』に参加したものが「コネクタナンバー 01.沼底」として小栗ムシコに反映されている。彼女から離れる期間が私に必要だったと思う。


・アリス
『警笛』『演奏者』『捜索者』『潜水者』に登場。『警笛』のヒロインにしてラスボス。『警笛』でクトゥルフルート(ジャンク撃つ)を選んだ時点で既に復活まで算段に入っていた。重度のハピエン厨だということを自覚しつつある。

肉体の本名は琴割リリ。巨大複合企業の重役である父を持ち、世界線1では不慮の事故で亡くなったあと父によって冷凍保存され、その後ネクロニカの未来でアリスの自我をインストールされ復活。
「コネクタナンバー 97.深窓」は琴割リリを意識したネーミングだが、タマシイ・コネクタを持つわけではない。ネクロニカのPCではあるが。

名前の元ネタは『リリイ・シュシュのすべて』よりリリイ・シュシュ


・くだん
『警笛』『革命者』に登場。『警笛』後、自分と同じように行き場のない人外たちを取りまとめ、グループのボスとなる。彼らはハンバーガーで人類が滅び去った後もしぶとく生き延び、落下した方舟ノアの後を追って地下(アーネッド)へと移る。集団はストレンヂアと名乗り、アーネッド市民たちを時折手助けしてきた。

『革命者』では長い年月で正気を失いつつあるが、ネズミやアルラウネを通じて自らの未来を見る能力でアザナエルの手助けをする。アザナエルのアザが人類を助けることを予期していたため。出番こそ少ないがシナリオ上では彼がいないとそもそもタマシイ・コネクタが存在しない。


コペンハーゲン
人魚姫。『警笛』に登場。童話シリーズとしては『警笛』で終わりであり、彼女の出番もまたそこで終わる。
量子力学にはコペンハーゲン解釈と呼ばれる、異なる状態の重ね合わせは観測することで一つの状態に収束するとみなす、というものがある。アザナエルの理論を手助けする解釈のひとつで、モチーフの一致を図っている。


・九條アゲハ
NWIJ重役。『警笛』『革命者』『捜索者』に登場。『警笛』ではニューワールド・インダストリー・プロダクツという警備会社を立ち上げている。この時には既に小規模ながらも「影」の失踪事件が発生しており、解決のために政府高官や警察幹部との交渉を彼女が受け持っていた。『警笛』で彼女が探索者たちの手助けを直接行えないのはそのため。

『革命者』では世界が「影」に汚染され過激派の影響力が強くなり、人類側の彼女は苦境に立たされながらも指揮を執る。奮戦虚しくニャルバーガーの手によって人類が滅びかかっていることを察知したが、それでもなお光明を見出すために研究機関から宇宙船ノアを買い取り、ハンバーガーに汚染されていない人類を宇宙に送り出そうとした。墜落こそしたものの人類は生き延び、アザナエルによってバトンは繋がれた。

『捜索者』ではNWIPをストレンヂアとして扱っている。小栗ムシコを迎え入れたのも彼女だし、ネクロニカ技術による世界改変で「影」に対抗しようとしたのも彼女率いるNWIPだし、アリスの精神に潜る装置を開発したのも同組織である。働きすぎである。

企業の持つパワーとその出自から、友好的な神話関連のギミックを取り入れる際にとりあえず絡ませとけば上手く収まるので扱いやすい。探索者側としてもたぶん信用できるキャラ(のはず)。佐伯ワズカも出したいんだけどなにぶんNPCの量が多くて……。


・空間ミツル
『警笛』の中ボスで、『捜索者』では名前だけ登場。シナリオ中はそんなに出番がないが、ストーリー上は大事なキャラ。とにかくジャンクとの絡みが多く、小栗ムシコの思想や行動方針は彼女の影響が大きい。


・伊達ハマキ
『校正者』の導入枠。なるだけシナリオに関係ないキャラはモブで構成したいのだが、この枠はどうしてもある程度の存在感が必要になる。ちょうど良いのでダブルクロスから出張ってもらった。出自も重くなく、チャラさ一辺倒になっている。


・金物カモメ
はわわなメイド。『演奏者』『捜索者』に登場。立ち絵は『演奏者』の時点で『FEif』のフェリシアを使おうと思っていたが、モブがテーマなので立ち絵もモブメイドになった。

コンサティーナの末裔であり、『演奏者』のギミッククリアのヒントを出す役割。『捜索者』では館の事件があったためしばらくの休暇を貰い、東京に来ている。
『校正者』『演奏者』に参加したPCの『捜索者』における導入役になる予定だったのだが、警察以外の既存PCが全員『警笛』メンバーであったために出番が半分以上吹っ飛ばされた悲しい運命の持ち主。もったいないのでダブルクロスに出すと思う。名前の由来は覚えていないが多分語感。
『革命者』の皇帝側近の祖先でもある。

・藤憑フキノ(謝罪)

『演奏者』に登場。
彼女について謝らなくてはいけないことがあります。もともと「コネクトナンバー 00.糾眼」を推理に活かせないかと思って作られた敵キャラクターなんですが、私が安易に別シナリオにPCとして出してしまったために本来アザ持ちであるはずの彼女が「糾眼」で断片を見られてしまうというシナリオ上の不整合が生まれました。アザは無限を認識するために当然灼熱の時代も含まれているわけで、欠陥です。ごめんなさい。よりにもよってPCをメインギミックに据えてるシナリオで……。
10連詫び石レベルの最悪のミスでした。ストアから最新VerをDLしてください。Ver.1.0.1から「永久発狂するとアザが消えてタマシイ・コネクタが働かなくなる」だとか「断片を誤認させるコネクトナンバーを持っている」だとか「灼熱天皇が謎パワーで守護しているためアザナエルの魔術が効かなかった」的な設定が付与されます。マジでごめん。


・矢鱈目鱈デブ蔵
『革命者』に登場。ニャルバーガーの首領。説明を省くためにわかりやすい敵キャラが必要だった。設定的にはニャルの化身だが私自身ニャルの化身がどういうものなのかよく分かってない。
ハンバーガーが嫌いかどうかで未来で生き残ってるかどうかがわかるのは地味な利点。


・商工会長(殻鞠チヅル)
『革命者』に登場。存在感が必要な導入モブ枠。便利。


・組合長
『革命者』に登場。彼がPCと絡むことはシナリオ制作段階で予期していて、今後も出るだろうなというキャラ立ちだったので重要NPCである皇帝と立ち絵の出典を同じにした。
有能だが過信するタイプ。地下からやってきた化け物を予期しろという方がどだい無理な話なのだが。


・皇帝(アーネディスタ・シュカノ)
『革命者』に登場。ボス……に見せかけた友好NPC枠。化け物の存在を秘匿し、撃退し続けるためにアーネッドの電力供給を絞っていた。激務とストレスも相まってSAN値ガリガリ削れている。内憂外患である。

名前を出すつもりはなかったが朱夏野シユの末裔。朱夏野シユは『革命者』世界線ではジャンクに乗っ取られておらず(シナリオ開始時点ではアザナエルのアザがなくバグらない)、冷凍保存もされていない。ハンバーガーに汚染されていない人類であったため、宇宙船ノアに乗船しアーネッド開拓期の住人となる。彼女の「探索者らしい」行動力は移民の中心となり、いつしか彼女の血筋がアーネッドの皇帝となっていった。

基本的にこのシナリオに出てくる人間は追い詰められてはいても物分かりがいいので探索者と普通に会話できる。立ち絵は『ファタモルガーナの館』よりメル・ローズ。


・ネズミ
・アルラウネ
『革命者』に登場。くだんとともにストレンヂアを構成する、人ならざる者たち。こういう枠がシナリオに欲しい。『校正者』のビヤーキーを出すつもりでいたが普通に忘れていた。ネズミの立ち絵は『ねずみくんのチョッキ』、アルラウネの立ち絵は『Rabi-Ribi』よりアルルーナ。

樹の精霊であるアルラウネは生命の力を操ることに長けており、DNAという生体物質がアザの魔術の根幹を成していたため探索者たちにアザを植え付けることができた。


・組合チョー
『捜索者』に登場。警察組の上司である。『革命者』に登場した組合長の祖先。会話は通じずフラグ建築士だが有能キャラ。『潜水者』が『警笛』の続編である以上、どうしても警察PCは出番が薄くなるのでそれを補強する役目。KPが提示したいヒントを実際に出す役割も担っている。
立ち絵は『ファタモルガーナの館』よりヤコポ。


・草倉ヒュウ
・尾梨カンナ
『捜索者』に登場。警察官と会社員の自PC。
朱夏野シユと同じ魂を持ち、ネクロニカ×アザナエルのジャンク乗り移りバグが起きたためにこちらにも不具合が出た。SSR配列4行目の削除の影響で、反射するもの(鏡やガラス)を見ると写し鏡のループに囚われ狂気に陥る。PLじゅもん以外の探索者に起こることはない。


・エソラ・マロード
『捜索者』に登場。もともと『SSR』に登場する予定だったが、ダブルクロスのPCの名前が思いつかず流用したのでキャラ設定を引き継ぐかたちになった。
アザナエルの分流を受け継ぐひとりで、アザに関する知識を探索者に与える。両親が日本好きのあまり普段口にするものほぼ全てが和食で、『革命者』のハンバーガー汚染も避けることができた。『革命者』でネズミが探していたアザナエルは彼の子孫。
絵心が壊滅的であり、夢の中に出てくる謎のラクガキも現代のアザナエルである彼の意識が関係している。




セッションお疲れ様でした。