おたくはどちら

つれづれ

4.モラトリアムダンスフロア

平成も終わろうとしていますね、どちらかといえば1年の3分の1が終わったことの方が衝撃かもしれない


平成最後にプレイしたゲームの話をしますが、R-18Gな話題なので自衛してください。核心を突かない程度にネタバレもするので自衛してください。よろしくな
文章がくどいって言われてここ最近は1000文字きっかりにまとめようと練習してたんですが、これに対する感情が莫大過ぎてはみ出したので普通に書きます
シナリオタイトルとか言われてもなんのこっちゃでしょうが雰囲気で読んでください


「EXTRAVAGANZA 〜蟲愛でる少女〜」。
2006年10月にBLACK Cycより発売されたPCアダルトゲーム。所謂鬼畜ゲームにカテゴライズされるので検索はおすすめしません



あらすじ(ニコ百より抜粋)

「蟲使い」と呼ばれる、異形の生物を使役する一族。 旧時代のしきたりに捉われたその一族から逃げた蟲使いに、 少女が「苗床」にされ特別な蟲を産まされるところから物語は始まる。 全てを失った少女と、たった一人の「我が子」。 少女は、平穏な日々を取り戻せるのか。


ネットサーフィンしている時にストーリー重視のタイトルとして挙がっているのをよく目にしていて、相当前から気になっていた作品でした
年齢(物理)的な壁やメンタルへの不安もあったので今の今までプレイできていませんでしたが、ようやく踏ん切りがついたので4月始めにDMMで購入。1ヶ月かけてシナリオ100%を達成しました
理不尽さと親子愛に挟まれたゲームだった…
次に進むルートをどんどん選択していくADVなんですが蟻の巣状とでも言いましょうか、分岐がめちゃくちゃ多くて攻略大変だった


8割ほどは暴力、裏切り、政略のシナリオでした
持たざる者は巨大な悪意に対してどうしようもできないその事実
ルート次第で主人公すらも暴力を振るう側になっていって人間を感じさせますね
関係性があまりにドロドロとしすぎていて獣魔蟲くん(主人公の子供であり相棒)の優しさが癒しだった
残りの2割は人間(とそれ以外)の優しさと愛と強さです


最後の最後まで救いのないルート分岐がこれでもかと散りばめられていて、正解を選び続けねばならない人生の難しさを感じました(エロゲで人生を学ぶな)
ラストイベントですら「彼女に救いを…!生きてくれ…ハッピーエンドをもたらしてくれ…!」って祈ってましたからね
鬼畜ゲームなのをいいことに堕ちるときはどこまでも堕ちる恐怖


「その15年に決着をⅡ」が始めて辿り着いた最深部ハッピーエンドなんですが、エンディングが絵になるかどうかってのはその作品の良し悪しを大きく左右する点だと思います。画竜点睛ってやつですね
このシナリオの最後の流れと立ち絵がマジでめちゃくちゃ良くて、私がプレイしてきたSFCからSwitchまでのありとあらゆるゲームの最終決戦〜エンディングの中でもトップに君臨する勢いです
プレイして何度も何度もへし折られるのを見てきて、更に直前に別ルートバッドエンドでメンタルボコボコにされたので凄まじいカタルシスでした


バッドエンドの多種多様さも目を見張るものがあって、引き出しの多さがそれ即ち面白さに繋がるんだなぁと
九条アゲハ周りの話によくそれが現れていると思います、特に主人公との百合えっちルート(「怪死事件」〜あたり)
自分でなんか作るときも最後のシーンは意識していきたい所存


魅力的な悪役にもいろいろ種類がありますが、 Dr.Westのマッドサイエンティストなりの美学はかなり好きです。美学とは私の言葉で、本人はただただ純粋なだけなのでしょうが
自分自身の探究心だけで倫理も常識も投げ打ちながら、自分を殺そうとする主人公にその先の道を示す
現実的な助言がそう見えるだけで、ひとつとして謎めいた要素がないのに底の推し量れないキャラクターでした
動機は明瞭で、だからこそ恐ろしく感じるんでしょうか
化け物に拷問を指示している横でステーキ食ってるCGあったのは笑いましたが


優人くん(草食系男子)と一緒に進むのが本っ当に嫌でアゲハルートを先にやったくらいなんですが、終わってみればこいつ良いキャラクターでしたね。逃げ出しそうとかすぐ死にそうとか思っててごめんな
特に終盤はなくてはならない存在でした
「森に溶けて」の特殊分岐もかなり好みのシナリオですが、やっば「回り始めた歯車」以降の立ち回りがツボを分かってるな〜〜って思いました、最高にスッキリした


100%クリア後のボーナストラックとして製作者さんたちの後語りがくっついてるんですが、そのおかげでプレイ後はスッキリした気持ち
当時のあとがきが13年の時を超えて私に届いていると思うと、ちょっと感慨深いものがあります
干支1周ちょっと前のオタクたち見てるか、俺はお前らと同じ景色を見ているぞ
素晴らしき日々とこれはいつか絶対にやろうと思い続けていたタイトルなので、メンタルに相当ダメージ入りましたけどそれ以上に双方やって良かったゲームでした


すばひびは文学的、こちらはゲーム・漫画的とでも言いましょうか
読み物としての体裁や美しさはすばひび、ストーリーラインの密度はこちらだと思います
今年前半期はやりたいこと多いんだ、5月ゼノブレ2といろいろ、6月ヴァルハラ
じゃあな平成