おたくはどちら

つれづれ

20.海行きたい

R-18Gの話題が含まれるので自衛してください



こんにちは。海行きたいです。
山梨県民なので簡単に行ける場所に海はなかったんですが、インドア派の引きこもり気質なのでそんなに海に対する憧れもないです。こんな時代だし、いくらでもテレビやネットで海は見れるし。
人生で初めて海行って、すっごい拍子抜けした記憶があります。世間一般で「海に行く」っていう行為、例えば海水浴して砂の城を作るとか、ピクニックシートの上で焼きそばを食べるとか、そういうレジャー全般の意味が含まれるわけです。
ただ、よくも悪くも少年時代の私は「海に行く」ことに海に行く以上の意味を見出せてはおらず。結果として水平線があって、波の音があって、それだけ。5分車から眺めれば飽きてしまう体験だったわけですね。
水遊びは楽しいけど海じゃなくてもよくね?という。画面を通して無人島の海を泳ぐ濱口優を見ていたせいで、現実的な海だけが頭の中にあって、実際それを裏切るような結果はそこにはなかった。
心の底で醸成された、海への諦観みたいなものは、のべつくまなし今の今まで続いています。


ただ、どうしようもなく、海に行きたくなる時はある。
それが今です。近場のバス停から駅の鈍行に乗って、雨も降らない曇天で、荒れもせず穏やかでもないロケーションの海をパッと眺めて、「なんもないなぁ」と思って帰りたい。
たとえば深夜にひとりで出歩くの、わくわくするじゃないですか。脇道に入って、非日常に足を踏み入れた感じがして。でも実際散歩にそれ以上の展開はなくて、少し歩いて、そろそろ帰るかぁってなって、道を戻って家に着く。
別に補導もされず職質もされず、時折脇を通る車がスピードを落とすのにちょっと申し訳なくなるくらいのもの。
そういう、どこに行ってどうやって帰ってくるのか想像できちゃうけど、ここではないどこかに行きたい気持ちがある。25年くらい前のアクティブな人は、そういう気持ちを抱えていわゆる「自分探し」の社会現象を起こしていたんじゃないかなぁと思いますね。




これはサムネのためにネットから拾ってきたティラノのGIF(ネットリテラシーが最悪)













表示用前説も終わったので、本題に入ります。やることを全部終わらせて、でも賞味期限が近い牛乳を飲み切るために作ったミルクコーヒーのカフェインが抜けきらなくて、体調が最悪の中でゲームをインストールしました。こういうのは勢いです。













『フラテルニテ HDリマスター』。
Wikipedia先生曰く、2014年7月25日にCLOCKUPから発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム
タイトル画面からして体調不良の理由がミルクコーヒーだけじゃないってのを分かってもらえると思うんですけど、まぁ、インストールから最悪でした。
まずパッケージ、ヒロインらしき女性5人が手を繋いで白い花の中で輪になってます。外箱を外した内側パッケージ、内臓や頭や頸椎が破裂することを描写するような赤マッキーの落書きがされています。

外箱の文句は
必ず君を救ってみせる。
内側の背表紙は
救いなんてない。

もうここまででため息つきながらインストールウィザードを動かしました。


なんというか……まずどうしてこういうゲームを買うんだっていうところからなんですけど……
ひとつは、そういう歳になったからそういうゲームにも自由意志で手が出せる。やっぱりゲームが好きなので、いろんなジャンルに手を出していきたい。
ひとつは、文字を読むゲームが好き。別にR-18だからといって忌避する理由もなく、面白いという評価を受けてるんだからやってやろうと。それだからこそ描写できるものもあるはずだし。
ひとつは、こういうゲームをやっているやつ、という玄人ぶりたい虚栄心のようなもの。それもある。
ひとつは、Twitterでフォローしてる人が面白いって言ってた。
ネタバレは一切見てないから勘の部分はあるけど、こういうのはキャパシティの関係で年1くらいでしかやらないので、かなり吟味しています。


この記事は、私がこの作品の序盤(OPまで)と闘う様子を吐き出すためのものです。対戦よろしくお願いします。ネタバレがあります。





開幕。女の子がベッドの上で内蔵掻っ捌かれて死んでる。メッセージウィンドウも表示されずに女の子の声。

「うふふ」

「綺麗だね。私もこんな風になりたい」

「おじさんも気持ちよさそうだったし」

「救われたんだ」

暗転。


場面は変わり、新居に引っ越してきた主人公。

男主人公にはボイスついてない作品は多いんですけど、これはついてますね。私は付いていて欲しい派なので好印象。


姉の美桜みお、妹の芽生めい

「このありきたりな幸せを二度と壊さないように」
「そのためなら、俺はどんなことでもするつもりだ」


姉にはなにかの事情があり、この街に引っ越してきたらしい。普通の生活が嬉しいという。


事件の後は主人公も周囲から疎遠になり、息苦しくどうしようもない日々が続いていた。


転校初日。
クラスメイト、めぐみ

実は前日、ひょんなことから会話を交わしていた彼女。初めてのクラスメイトが運命的な美少女だったことにおもわずウキウキする主人公。わかる。


放課後、姉を迎えにいくと、既に友達ができたのかひとりの女子生徒と楽しそうに話していた。

人を見た目で判断するつもりはないんですけど、なあ、ここまで先の展開を示唆する目つきあるか?
彼女は小野田友佳。喋り方がハキハキしてる。今日は彼女と少し遊んで帰るそう。全体的に背景の彩度が低くて、情景の構成に巧みさを感じる。



引っ越す街を決めたのも姉らしい。

若干の違和感を抱えつつも、元の社交的な姉に戻りつつあるのではないかと安堵する主人公。暗転。





不穏の極みみたいなアイキャッチしてんな



シーンは変わり、姉の独白。どうやらアイキャッチのキャラクターの視点になるらしい。
事件の後、この世から去る手段を求めてインターネットに嵌まり込んでいく姉。メンタルが破壊されてる前提があるからリテラシーとかそういう問題じゃない。

ずっとにゅうすいって読んでたけどじゅすいだと言うことを初めて知った。フルボイスゲームありがとう。


いつしか小さな興味から、「救済サイト」に入り浸る。そこで知り合ったのが友佳。自分と同じ境遇だという、彼女との「救い」の話や他愛もない世間話で、姉は日常を取り戻していった。

高速で破滅の外堀を埋められていく音がする。

「ちゃんと家族と話し合ってみた?できるかどうからわかんないけど、美桜が何を望んでるかわかるだけでも…ううん、何か話してくれるだけで、皆安心すると思うよ」

新しく人生をやり直したい姉は、彼女のいる街へ引っ越すことを決めた。驚くほどすんなりと友佳に出会い、彼女が救われたという「友愛クラブ」へ。何かを学ぶわけではなく、自由に過ごしていいらしい。



目的の提示。同族意識。親身に。主語を大きく。本人の自由意志に任せる体裁。クトゥルフTRPGでよく宗教やるので参考になる。

「私は若いひとたちに、もっと大切なものに気づいて、学んでほしくて、この塾を開いたんだよ」

「愛…というと少し気恥ずかしいが…。友愛の気持ち…隣人と助け合う精神だね。人を助け、人を救える人間になってほしくて、この場所を提供しているんだ」

「実際ここには、君と同じように心に傷を負った人たちが大勢いてね。自分が救われる方法を探し求めているんだ。そして救いを見出した者が、今度は救う側にまわる」

塾長に親身に話を聞いてもらい、ここは「家より安心できる場所」だと感じる美桜。ハァーーー
暗転。






シーンは小野田友佳の視点へ。
こっちの視点もやってくれるの!!!!

彼女の身に起きたことは本当だったようで。

「意味がわからなかった。どうして、自分の身にこんなことが起こるのかって、現実を受け入れることができなかった。」

無気力に街をうろついていた時、出会ったのがさっきの男性。

「その夜出会ったのは、秘密のクラブを運営する園田先生だった」

「園田先生は全てを受け入れてくれた。私のことを理解して、クラブで過ごすことを勧めてくれた。」

「だから、この幸せを誰かに伝えたかった。もっと誰かと共有したかった。そして、苦しんでいる人を私の手で助けたかった」

前に進もうとするポジティブな動機があって、誰かを救おうという素敵な目的があって、でも彼ら彼女らの「救済」に不安しか覚えない




主人公視点へ。数日経っていくらか話せる人間もできたらしく、何人かの紹介が入る。
男友達枠。生徒会副会長で弓道部部長。イケメン。モテるらしい。そらそうだ。

お前だけは裏切らないでくれ。頼むから。


こっちは生徒会長。
近寄りがたい雰囲気はあるものの相当の美人。


隣のクラスの星野円夏。でかい。

漫画の趣味が合うらしく、既に主人公とは『アイアムアヒーロー』(的な何か) を貸し借りする仲。
愛さんの友達繋がりで知り合ったらしい。普通にこっちも恋愛的な意味の外堀が埋まっていくな。


トイレの前でうずくまっていた女の子。

戸田心音と名乗る彼女はずぶ濡れだった。そういう現場。

「どこの誰がやってるかわからないけど、見つけたら1発くらいぶん殴ってやりたい気分だった。」


翌日、姉のアドバイスを受けて「ずぶ濡れ」について副会長に話すことに。

いいやつだよ!いいやつであってくれよ!頼む!


とりあえずその件は生徒会に任せて、帰りがけに見かけた姉とその友達を尾ける主人公。辿り着いたのは怪しい塾だった。初選択肢。セーブする。

どっちも同じじゃないか?こういう選択肢は必ず上からやると決めているので待つを選択。

3ヶ月後。


いやいやいやいやいやいや
タイトルに戻された。即死ギミックを踏んだ気分だ。



やり直します。

帰りません。入ります。


誰にも見つからないように、こっそりと鉄扉の中を覗く。
もうホラーゲームなんだよな

中からは嬌声が聞こえる。やめてほしい。ぬきたしで慣れてたけどこれがBGMって非日常ですね。やめてほしい。お香の匂いがする。やめてほしい。















声の主は姉でした。シーンです。












立ちすくむ主人公は、後ろから声をかけられる。

セーブしました。終わります。海行きたいです。